小野としこ_フォト五七五 句集

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2013/9

     
喪服もて ゆくべしヒロシマ 長崎は
 1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分,原爆投下によって多くの方々が無くなられました。 この地は広島から遠く離れていますが、戦争の悲惨さや平和の大切さを次世代に伝えるため、毎年「ムッちゃん平和祭」を開催され、市内の小中学生による平和を訴える弁論大会などが開催されます。写真のむっちゃんは、昭和20年の終戦直後、防空壕で一人寂しく死んでいったとされる少女です。
空蝉の 掴む鉄線 戦火跡 
空蝉の意味は、カラ蝉(脱殻)の他に古語の「現人(うつしおみ)」が訛ったものもあります。 空蝉がつかんでいるのをじーっと見ていると、セミではなく現人(うつしおみ)に思えてきましたの。
 


2013/8

     
ひまわりの花 宙に浮く 月あかり 
月あかりに、ひまわり花園の花が、まるで地面から離れて空中に浮かんでいるように見えました
磔刑の 形に浮きて 夜のプール 
プールの中に大の字に浮かんでいる人がいました。過っての夫も良く同じことをしておりました。重なって想いが甦りました。
 

・2013/7

     
 息の合った柳葉の動きに春の幸せを一杯感じさせていただきました  予想外に篤い病を知った驚き、面会拒否にあった戸惑いを詠みました。  この地域では皆さんが協働でホタルを守り育てる活動を行っています。そのため毎年多くのホタルを見ることができます。今年もいっぱい楽しませていただきました


・2013/6

     
 散歩時に、ベビーカーの幼児が”ウマウマ”と語りかけ、若母親も同じ喃語でおしゃべりしながら歩いていた。すばらしい5月晴れで私の心も幼児のころになった気がしました  過ってこの時期に、夫のがんを知らされました。 心が真っ暗な中、空だけが異様に青かった。・・・・・・。  ボート練習の人を”あくた”と呼んではひどいですわね。 5月の川は写真に表せない程、きらきらと輝いていました。


・2013/5

     
パソコンの マウス脱走 四月馬鹿 
4月1日には、世界中で新聞が嘘の内容の記事を掲載したり、ジョークコンテンツを公開するといったことも行われております。マウス脱走という表現は如何でしょうか?
藤房に 吐息の長さありにけり 
房のように垂れ咲く藤の花をみて、嘆じました(ほめたたえる)。
兵の墓 未婚ばかりや 初燕
 慰霊碑の享年の文字はみんな若い人ばかり、燕は今年やってきました。
     
 桃の花 童女となりし 母と居る
こどもの頃の自分になりました
   


・2013/4

     
 古ひいな タイムマシンの 過去を指す
おひなさまを飾り付けるにつけ、じぶんの齢と重ね合わせて、過ってのピッカピッカのお雛様を思い浮かばれます。みんなで、お雛様を囲んで歌を歌っていた頃が・・・
 樹下浄土 想ひ思ひの 落椿
椿はのそのままに散ります。木の下の原形のままの椿はきれいでした。お浄土は木の上ばかりでありません、下にもあります。
 たんぽぽの 返り花なる 絮毛かな
わたげがきれい、たんぽぽもきれいだけど、わたげがもっときれいに見えました。わたげが帰り花なんておかしいでしょうか?帰り花(かえりばな)は、冬の季語で11月頃の小春日和に、桜、梅、梨、躑躅などの草木が本来の季節とは異なって咲かせた花のことなんですが、帰り→”ひっくりかえる”の意につかいました。戻り花?では淋しい気がしました。


・2013/3

     
 葉牡丹には蕊がありません。花ではないキャベツの変身かな。男の花と思った。  もうすぐ春ですね。  頭の無い海鼠の考え休むに似たり。北斎の自由闊達さに共鳴しました。

・2013/2

     
見たままの情景を詠みました。踏まないようにまわり道をして通り過ぎました。 花びらが無くなって蕊だけが残っている山茶花。自分の老いを重なって覚えました  花を愛でる、咲く期間も長いが、散り始めから終わる迄も長い、その間の掃除が大変です 

・2013/1

女とは 云えぬ齢の 懐手
自分自身です 
冬蜂や 葬花の蕊の 摘まれゐて
葬花の雌蕊は摘み取られていた。蜂が飛んできて蜜を探しに来たけど無いのが知ると飛び立った 
目を閉じて 母胎へ還る 初湯かな
正月、年末の慌ただしさから解放され、何も考えずにゆったりと湯に入りました。

・2012/12

     
風邪籠り 一部始終の 空とあり
一日中臥せて、何もすることが無く、ただ静かに空を眺めていました 
結び玉なき 糸で縫う 去年今年
去年から今年につながる状況。結び玉のようなこともなく、いつもと変わりありません 
 
銀杏黄葉一本を持て空制す
黄色の葉っぱを小さな手で空にかざして、ひらひらさせながら子供が遊んでいました
 
 フランスパン抱え極月横に見て
年の瀬の気ぜわしなか、フランスパンを抱えている人を見かけました
大寒や百幹の竹殺気立つ
竹林を通った時の情景。殺気立って思えて怖かった 

・2012/11

・2012/10

 標本館外に揚羽の空はあり  片言に 片言の礼 すみれ束
幼児よりすみれを頂いたのですが、こちらも片言でお礼を言いました。少女が大きくなる様子を思い浮かべながら・・・
女より 切り出す別れ 立ち葵い 

・2012/9

・2012/8

     

・2012/6

・2012/5

 

・2012/2

     

・2012/1



・2011/12

・2011/11


俳句 としこさん

俳句 としこさん
 

・2011/10

   

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・2011/2-3

・2011/1

   

・2010/12

   

・2010/9

   
プールの中で大の字に浮かんでた、瞼の中の夫  この季節、毎年ずーと、あの当時が忘れられません

・2010/8

     


・2010/7

     
     


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